院内集会「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」part6 アピール文

2017年11月2日、参議院議員会館で開催した院内集会「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」part6で、以下のアピール文が朗読され、参加者一同で確認しました。


私たちは国に対し、人種差別撤廃条約に基づきヘイトスピーチをはじめとする人種差別を撤廃する政策を策定すること、その出発点として人種差別撤廃基本法をただちに制定することを求めて、これまで5回の院内集会を開いてきた。

昨年2016年4月に与党から出され、6月3日に施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)は、人種差別撤廃基本法ではなく、在日外国人へのヘイトスピーチに限定し、禁止規定もない不十分な内容ではあるが、それでも長年の国際人権基準に合致する反人種差別法を求める闘い抜きでは実現し得なかった成果であり、私たちはこの法律を差別撤廃のために活用し、また、次の法整備につなげることを誓った。

ヘイトスピーチ解消法施行から1年半、ヘイトデモの回数、参加者数は減少し、警察のカウンターを敵視する態度はある程度是正されるなど、一定の効果は出ている。しかし、届出不要のヘイト街宣の回数は減らず、ネット上のヘイトスピーチに対してほぼ野放し状態であり、公人によるヘイトスピーチは悪化している。

国がヘイトスピーチ解消のために、解消法に基づいてやるべきことは、個別具体的なヘイトスピーチに対し即座に首相や法務大臣が公的に批判すること、プロバイダーが自主的ルールを忠実に実施してヘイトスピーチを迅速に削除するよう合意を取り付けること、学校教育において反ヘイト教育をカリキュラムに入れること、全警察官に研修を行うことなど、多方面にわたってある。私たちは、そのような具体的な要求をもって国と交渉してきたが、まだ多くが実現していない。

もとより、解消法はヘイトスピーチのみを対象とする点で限界がある。ヘイトスピーチは差別の一角であり、入居差別、就職差別などの差別的取扱いと一体としてマイノリティを苦しめており、社会的構造的な人種差別を撤廃することがその根絶のため不可欠である。それが人種差別撤廃条約の締約国としての義務でもある。

すでに今年3月に発表された法務省の「外国人住民調査報告書」により、外国籍住民に対する深刻な人種差別の全体像が明らかになっており、差別撤廃のためにはる啓発、教育だけでは足りず、法的に禁止することが不可欠である。

さらに、ヘイトスピーチ解消法は在日外国人のみを対象としているが、アイヌ、琉球・沖縄、被差別部落など、人種差別全体に取り組むことが国際的責務である。

しかし政府は、今年人種差別撤廃委員会に提出した報告書の中で、「包括差別禁止法が必要であるとの認識には至っていない」と述べ、また、国際人権高等弁務官事務所に提出した報告書の中でヘイトスピーチへの規制強化について不必要との認識を示している。

以上から、私たちは、国および地方自治体に対し、共通の課題として、ヘイトスピーチ解消法を実効化し、さらに、国際人権法上の義務に合致した人種差別撤廃政策と法整備を速やかに整備するよう、下記のことを求める。

  1. 政府は、ヘイトスピーチ解消のための基本方針、基本計画を速やかにたて、総合的に政府全体で対策を進めること。
  2. 関係各省庁はヘイトスピーチ解消法に基づき、ヘイトスピーチ解消のため実効ある施策を直ちに実行すること。
  3. 地方自治体は、ヘイトスピーチ解消法を実効化するため、人種差別撤廃条例制定などを速やかに進めること。
  4. 国は、ヘイトスピーチを含む人種差別全体の撤廃を総合的に進めるため、直ちに人種差別撤廃基本法を制定すること。
  5. 国は、2020年のオリンピック・パラリンピックまでに、国際人権基準に合致する人種差別禁止法、個人通報制度、国内人権機関など人種差別撤廃法制度を整備すること。

2017年11月2日

「今こそ人種差別撤廃基本法の実現を」第6回院内集会 集会参加者一同
外国人人権法連絡会
移住者と連帯する全国ネットワーク
人種差別撤廃NGOネットワーク
のりこえねっと
ヒューマンライツ・ナウ

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